コラム

DMZ軍事境界線でベールに包まれた北朝鮮を覗き込む

作成者신철희日付11/15/2019

北朝鮮といえば、ほとんど書籍やネット記事、動画など、2次的資料を通じて接するのが一般的だ。

DMZ軍事境界線でベールに包まれた北朝鮮を覗き込む


北朝鮮といえば、ほとんど書籍やネット記事、動画など、2次的資料を通じて接するのが一般的だ。私が北朝鮮について初めて知ったのは、脱北者パク・ヨンミさんが書いた「私が見たことをあなたが知るようになったら」という本からだった。本では北朝鮮が地獄のように描かれていたが、それは彼女の子供時代たった20年前の北朝鮮である。それでは、今の北朝鮮の様子はどうなのか?韓国と北朝鮮の昨日と今日について知りたい好奇心に引かれ、DMZ1日ツアーを申し込んだ。



DMZ、KSA、 都羅山、臨津閣など……板門店ツアー

DMZはDemilitarized Zoneの略字で、非武装地帯を意味する。1953年7月27日に締結された「韓国軍事停戦に関する協定」により設定された緩衝地帯であり、南北軍事分界線を基準に南北それぞれ2㎞ずつ、幅4㎞の区間だ。DMZの中には見所がたくさんあるが、あまり知られていないため見逃してしまうスポットがある。まず、ここで簡単に紹介したい。


•    臨津閣平和ヌリ公園
北朝鮮を離れてきたが戻れなくなってしまった「失郷民」のために設けられた。1983年、戦争により居場所を失い家族と別れ離れになった人のために企画されたKBS番組『離散家族を探します』では、10、189人の離散家族が再開した。この番組により「失われた30年」という曲が生み出された。公園には望拝壇、平和の鐘、米軍参戦記念碑など、平和を記念するための多様な施設がある。展望台からは鉄条網の外に北朝鮮の領土や自由の橋が見え、公園にはレストラン、カフェ、遊び場などがある。他の場所では軍事的な緊張感が漂うが、ここでは静かで和やかな雰囲気が感じられる。臨津閣公園ツアーは複雑な申し込みの手続きなしで、自由に訪問できる。





•    第3トンネル
第3トンネルは、北朝鮮が南侵のために掘り進めたトンネルで、最大3万人の兵士が同時に移動できる。1987年、掘削孔のうち一つが爆発されたことで発見され、韓国が逆坑道掘削工事を行った。入口の傾斜路がトンネルに連結され、観光客は20分でトンネルに入ることができる。全体の長さ、1,635メートルのトンネルの中、現在見学可能な長さは265メートル。軍事分界線から170メートル離れたところに、鉄条網や鉄門があってそれ以上の侵入ができないためだ。第3トンネルの中では写真撮影が禁じられており、カメラの持参も不可能だ。観光客は歩いて移動するが、高さ2メートルのトンネルの内部が狭く、一部の区間では頭を下げないと通れないので、当時の掘削作業の困難さを推測できる。



•    都羅山展望台
第3トンネルの横にある高さ156メートルの都羅山展望台では開城市や北朝鮮の住民の様子を確認できる。同じ模様の白い壁やレンガ色屋根の家々が目の前に広がると、北朝鮮に対する好奇心が満たされるような気がした。韓国と北朝鮮は平和の道に進んでいることを示してくれるため、軍事分界線の近くにそれぞれ小さい町を設けており、展望台の望遠鏡で町の中にある小学校の国旗掲揚台を見ることができる。本当に記憶に残る経験だった。




•    都羅山駅
都羅山駅は韓国最北端に位置しており、平壌から205km離れている。「京」はソウルを、「义」は北朝鮮の義州郡を意味する京義線の終着地でもある。都羅山駅には北朝鮮まで走る日を望むという意味がこめられ、「南端の駅ではなく、北へ行く最初の駅です」というスローガンが貼ってある。駅舎の中には、南北の交流を見せてくれる絵が多数展示されていた。特に個人的に胸に響いたのは控室の左側にかけられた韓国最南端にある済州道の漢拏山と北朝鮮最北端にある白頭山の2つの作品だった。それは、平和統一を念願する韓国の願いを象徴するものでもある。




•    JSA共同警備区域
国連軍と南北韓軍が共同で警備する区域で、両側の兵士が対面する唯一の区域でもあって共同警備区域と呼ぶ。二者および多国間会議が行われた空色の建物や、北朝鮮のキム・ジョンウン国務委員長とムン・ジェイン大統領が南と北の土と水で植えた平和の木、韓国の平和の家、そして北朝鮮の板門閣が見れる。ここは、ルート全体で最も警備が厳しい地域でもあるが、すぐ向こうが北朝鮮であるためだ。南北韓の境界をコンクリートの境界線で区分しておいて、自由に渡せないようにしている。ツアー当時、向こうの板門閣で安保ツアー中の北朝鮮人も見られた。韓国と北朝鮮の境界を見学しようとすれば、JSA共同警備区域は欠かせないコースだと思う。





便利なDMZ1日ツアーのオンライン予約

DMZは特殊性があり、自由ツアーが不可能な場所もある。1日ツアーを申し込めば複雑な行政手続きの問題が解決されるほか、中国語が可能なガイドから背景の説明を聞きながら、きめ細かなツアーが可能だ。韓国にはDMZ1日ツアー商品を提供する旅行会社が4か所あるが、電話予約システムであり外国人には不便かもしれない。そのため、KK DAY予約をおすすめしたい。価格も比較的やすい!(予約サイト:https://www.kkday.com/zh-tw/product/4776)


板門閣ツアーでは人数に制限がある。現在、1社の旅行会社に割り当てられた人数はわずか27人で、開放時間も短いので、あらかじめ予約したほうがいい。また、ツアー当日は必ずパスポートを持参し、関連規定を順守しなければならない。破れたジーンズ、半ズボン、ミニスカート、袖なし、ミリタリールック、サンダル、ブランド名やスポーツチーム名が入って目立つ衣類や帽子は禁じられている。北朝鮮軍との会話は不可で、許可された場所でのみ写真撮影が可能だ。そのほか、緊急会談や軍事訓練がある場合は日程がキャンセルになることがある。出発前にキャンセルされる場合、時間変更についてKK DAYにお問い合わせできる。


世界唯一分断の現場、歴史の記録であると同時に歴史を書いている板門店

板門店はドイツのベルリン障壁のごとく冷戦の産物だ。ベルリン障壁はすでに壊れて遺跡になったものの、板門店のコンクリート境界線はまだその場にある。南北の警戒地域では指示に従って行動しなければならないため緊張感が漂うが、他の観光地みたいに写真を撮ったり記念品を買うこともできる。韓国の弘大、明洞、梨泰院のようなホットプレースではないが、歴史の現場を直接見学できる場所だ。世界唯一の分断の現場であるDMZツアーで、南北が念願する平和統一の終わっていない話を聞くことができる。