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美術と歴史、想像力と本の森で過ごす、水原&華城での一日
森へ散歩に出かけました。ゆっくり歩き、深呼吸するだけで魂は清らかな気で満たされます。廃ビルをリニューアルしてつくられた美術の森、そして亡き王を祀った歴史の森です。文化と芸術で満たされる想像の森、こぢんまりとした本の森まで見回るつもりです。10月の森に立っていると、時間までもゆっくりと流れているような気がします。
Travel Schedule
華城(ファソン)ソダ美術館→1.97㎞、車で4分→華城・隆陵と健陵→8.04㎞、車で20分→水原(スウォン)京畿(キョンギ)想像キャンパス→4.53㎞、車で15分→路地の本屋・ブロッコリスッ
チムジルバンの素晴らしい変身 - ソダ美術館
アパートと田畑の境界あたりに位置するソダ美術館は、美術の森です。ここまで誰も来ないよと思うかもしれませんが、ソーシャルメディアでは口コミでホットになった場所です。入口に立つと、子供たちの走る音、笑う声が聞こえてきます。中に一歩を踏み入れると、写真撮影に忙しいカップルでいっぱい。ソダ美術館という森ではじめて出会った風景です。
ソダ美術館は本来、チムジルバンをつくるために建てられたものです。利益を出すことに確信がなかったチムジルバンのオーナーは、建物を撤去することを決心し、建築家に相談します。その建築家は「建設の途中の構造物をリサイクルして、展示空間として生まれ変わらせてみよう」と提案します。二人は意気投合し、その種は美術館という実を結びます。このようなエピソードがあるからこそなおのこと、建物が面白く感じられます。仕上げられず、むき出しになった壁や柱を見ていると、どこかにできるはずだったチムジルバンの浴槽や脱衣所を想像することは、この建物からの面白いプレゼントです。
1階の室内にはGALLERY1、2、3と名付けられた展示空間が設けられています。GALLERY2の床の凹んだ部分は、チムジルバンの構造が残っている場所です。白のテーブルが設置された場所はウィンドウカフェ(WINDOW CAFE)。椅子に座った人にすすめるように、壁には「LOOK AT THE SKY」と書かれていて、目を引きます。
屋外展示場は屋根を取り外し、コンクリート構造のみのルーフレスギャラリー(ROOFLESS GALLERY)。骨組みだけが残っていて、室内と屋外の境界が崩れているので、屋外の風景も作品の一つになっています。すぐ隣には、晴天でも雨に降られる経験ができる「スカイシャワー」が運営されています。ここが子供たちの笑い声の震源地だったのです。庭園と2階にはプレイボックス(PLAY BOX)、ショーボックス(SHOW BOX)、アートボックス(ART BOX)、ドリンクボックス(DRINK BOX)と名付けられたコンテナが設置されています。子供たちの遊び場、又は展示場として活用できるスペースです。
住所 京畿道華城市ヒョヘンロ707ボンギル30
お問い合わせ +82-70-8915-9127
営業時間 10:00~19:00、月曜日、お正月・秋夕連休は定休日
利用料金 大人9,000ウォン、学生7,000ウォン、未就学(36か月以上)子供5,000ウォン
ホームページ https://museumsoda.org
米櫃に閉じ込められた父、悲しみに閉じ込められた息子が眠る場所 - 華城・隆陵と健陵
華城・隆陵と健陵は朝鮮時代の悲劇の犠牲者となった人たちの安息の地です。隆陵には思悼世子(荘祖懿皇帝)と献敬懿皇后(恵慶宮・洪氏)、健陵には思悼世子の子、正祖と孝懿王后・金氏が眠っています。思悼世子は正祖が王位を継いだことにより、荘献世子と呼ばれ、1899年に荘祖懿皇帝へ追贈されました。この時、恵慶宮・洪氏も献敬懿皇后に追贈されました。
米櫃に閉じ込められて亡くなった父と、その日の苦しみを一生抱えたまま生きた子が眠る場所。ところが、ここの雰囲気は平和そのものです。父の悔しさを慰めようとした子の心が天に通じたのでしょうか。森の精霊が守っているかのように、二基の御陵は温かい威厳に満ちています。肩の上に降り注ぐ日差し、足の周辺に転がっているドングリが、歴史の森へと歓迎してくれるような気がします。
斎室と歴史文化館との間を抜けると、分かれ道が現れます。右が隆陵、左が健陵です。森が美しいためか、深く根を張っている木々の間を歩く贅沢が身に染みるほど強く感じられます。樹木園の旅に負けないほどです。天に伸びた松の不思議な曲線、人間の声に驚いて目を丸く見開いて逃げるリスの揺れる尾までもが心を癒してくれます。昔の人は墓を囲む森を、なぜここまで美しくつくったのでしょうか。御陵への道だということも忘れ、ベンチに座って無念のひと時を楽しみます。隆陵と健陵には、御陵の他にも、坤申池、遊歩道、赤門、亭子閣など、見るものが多く点在します。時間の余裕をもってゆっくり散歩する価値のある場所です。
住所 京畿道華城市ヒョヘンロ481ボンギル21-1
お問い合わせ +82-31-222-0142
営業時間 2~5月、9~10月09:00~18:00、6~8月09:00~18:30、11~1月09:00~17:30
利用料金 25~64歳1,000ウォン
ホームページ
http://royaltombs.cha.go.kr/html/HtmlPage.do?pg=/new/html/portal_01_13_01.jsp&mn=RT_01_13
文化と芸術を支える想像の根拠地 - 京畿想像キャンパス
まっすぐ伸びた道路の両側に森が続きます。木々と芝生の裏には、一目見て分かるような古い建物が建っています。四角い箱のような建物は、画一的に見えるような気もしますが、入口に入ったときの周りの雰囲気は、まったく違います。長年、若者たちが勉学に励んだ大学のキャンパスがソウルへ移設された後、その場に複合文化施設、京畿想像キャンパスが建ったのです。
ソウル大学校・農科大学が2003年に水原からソウルへ移転しました。建物は空いてしまい、森が残されました。そうやって13年が経ちます。手入れされていない建物は荒涼としていくばかり。しかしキャンパスの木々は、日を追うごとに鬱蒼と生い茂っていきました。広い森と空いた建物が惜しいと考えた人々は志を一つにし、京畿道文化の発信地を造り始めます。はがれた外壁を塗り直し、古くなった場所、壊れた場所を直します。空間の特性を活かしてどのように使うべきか考えていく中で、キャンパス全体に命が吹き替えられた
ような気がしました。文化は、泊まった心臓を生き返らせ、想像は詰まった血管を通してくれました。京畿想像キャンパスの始まりです。
それぞれの建物は、「生活1980」、「青年1981」、「工作1967」、「生活1990」と名付けられました。数字は建物が建てられた年度を意味します。京畿想像キャンパスは文化と芸術を志す若者たちの活動を支援し、地域住民向けの多様なプログラムを運営しています。時代に合うアート作品を展示する空間や、訪問客がしばらく休んでいけるカフェも設けられています。思索の丘、芝生広場、オウル広場、ハヌル庭園など、屋外の憩いの場も人気です。
住所 京畿道水原市勧善区ソドゥンロ166
お問い合わせ +82-31-296-1980
営業時間 10:00~18:00、月曜日は定休日、遊歩道3~11月05:30~19:30、12~2月05:30~17:30
利用料金 無料
ホームページ http://sscampus.kr
緑の植物で建てられた本の森 - 路地の本屋・ブロッコリスッ
ブロッコリーで森をつくったらどうだろう。丸みを帯びた緑の小さな植物が集まって群落となった様子を想像するだけで、なぜか嬉しくなってしまいます。水原華城の裏の路地には、真心込められてつくられた本の森があります。路地の本屋・ブロッコリスッです。
本屋の始まりは全くの偶然でした。職場の先輩・後輩だったイ・ギョンヒ、パク・ジョンミン取締役が休暇の時に旅に出ました。色々見回って、計画になかった独立系書店にふらっと入りました。運命だったとしか言いようがありません。大きくはなかったのですが、様々な本があり、地元の読者と触れ合う本屋に魅力を感じ、たちまち虜になってしまいました。古い農家を改造して本屋にしたり、狭い空間ではありますが本を紹介する「ブックコンサート」を開くなど、心象深かったといいます。二人の心に、ブロッコリスッの構想がはじめて蠢いた瞬間です。
本屋の場所までも旅行の途中決めました。ある秋の日に訪れた水原華城の周辺にある行宮洞の雰囲気に魅了され、本屋の開店を決心したのです。本屋の名もすぐ決まりました。ブロッコリーが大好きで、バンド「ブロッコリー君まで」の音楽も好きだったためだそうです。
ブロッコリスッのインテリアは素朴ですが、本のジャンルは多岐にわたっています。斬新なテーマや実験精神が見られる独立系の出版物をはじめとし、文学、芸術、エッセイ、人文科学、絵本、写真集など、あらゆるジャンルの本が、宝物のように大切に置かれています。センスの良いデザインで、一目ぼれしてしまうグッズも人気の商品だそうです。本屋の前にあるテーブルに座って、ブロッコリスッのハンドドリップコーヒーを飲みながら本を読む時間は、路地の本屋が見返りを考えずに渡してくれるプレゼントです。
住所 京畿道水原市八達区ファソムンロ32ボンギル21-10
お問い合わせ +82-31-243-7389
営業時間 13:00~20:00、年中無休
利用料金 無料
ホームページ https://blog.naver.com/broccoli_soop
1。ソダ美術館のスカイシャワーは、10月末まで気温25℃以上の日の正午から午後5時まで、定刻から20分間動作します。スカイシャワーを体験する方は、1,000ウォンで傘を貸し出しできます。
2。京畿想像キャンパスは2018森の中のマーケットフォレフォレ、ソンサリ工房、ソンサリ市の日、若者実験室など、多様なプログラムを用意しています。詳しくはホームページをご参照ください。
[地下鉄] ソウル地下鉄1号線(シンチャン・チョナン・ピョンジョム行き)ピョンジョム駅2番出口。ピョンジョム駅裏門停留所にて35-2A、35-2B番村バスを利用。ウバンアパート停留所にて下車。約15分。
[自動車] 首都圏第2循環高速道路→烏山華城高速道路→西烏山IC→峰潭、餅店方面ポンヨンロ→ファサン3橋を右折→ヒョヘンロ→アルムシンハンミジエンアパートを右折→ソダ美術館